味の素グループ 統合報告書2018
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44 当社は、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」にふさわしい、「機動的な意思決定」と「適切な執行の監督」を可能にする体制の構築に向けた取り組みを加速しています。取締役会の議長とCEOの役割を分離して実効性を高めるとともに、「機動的な意思決定」については、「ガバナンスに関するグループポリシー」に基づき、「統率するHQ」と「任される現場」のコンセプトのもと、各組織の機能と責任を明確化したことで、「任される現場」の機動力と効率性が着実に高まっています。 「適切な執行の監督」については、その実効性を高めるべく、2017年より、社内取締役6名と社外取締役3名のコンパクトな体制に移行したことで取締役会の議論が活発化したと実感しています。また、審議基準の見直しにも継続的に取り組み、取締役会(臨時開催を除く)の議案数は2016年度の平均5.3件から2017年度には3.9件へと減少しました。これにより、企業戦略の方向性や中長期的な課題・方針等について議論する時間を増やすことができましたが、今後はさらに取り組みを進め、意見を一層引き出せるようにしていきたいと考えています。 味の素グループは、事業を通じて社会課題を解決し、社会価値を創造した結果として、経済価値を創造するサイクルで成長を遂げてきました。しかし、社会価値を創造した結果として経済価値が生まれるというロジックには様々な要因が絡み合っています。例えば、アミノ酸が健康に良いからといって、アミノ酸製品の種類を増やせば売上が上がるほど商売は簡単ではありません。利益というのは社会や人々の役に立って初めて得られる対価です。この認識に立ち、人々の日常や人生に役立ちながらも、さらに健康や栄養の改善にも寄与するというストーリーを自らの製品を軸に描き、具現化することこそ味の素グループが目指すASVです。変化の激しい社会の中で、人々に何をどう食べてもらいたいか、味の素グループの提案を受け入れてもらうにはどんなアプローチが考えられるのか。生活者の変化をより深く理解して、事業を開発していくことが今後ますます求められます。 社会価値を経済価値へと結び付けるには様々な要因が複雑に絡みますが、現場と本社が一体となって、その複雑な要因にガバナンス体制は着実に進化取締役会長メッセージ成長につなげるガバナンスを目指してASVによる独自の価値創造を 通じた持続的な成長に向けて、 ガバナンス体制の強化に 継続して取り組みます。

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