味の素グループ 統合報告書2018
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R27 また、再生可能エネルギーの利用比率を高めるとともに経済的なメリットを得る(コストを削減する)ために、原料であるサトウキビの搾りかすやもみ殻等のバイオマスをボイラーの燃料源として使用しています。バイオマスは、ブラジルやタイ等の工場で活用され、現在、その利用比率のさらなる向上にグループ全体で取り組んでいます。副生物160万tアミノ酸発酵生産の重要農作物原料であるサトウキビ、トウモロコシ、キャッサバ有機質肥料160万tうま味調味料「味の素 」製品「味の素」50万t化学肥料サトウキビ畑窒素分糖蜜(サトウキビの搾り汁)150万t収穫ブラジル・リメイラ工場サトウキビ3,800万tサトウキビ畑50万haに必要な化学肥料(窒素分)の70%をカバーこの図は味の素グループが1年間に世界各地で生産するうま味調味料「味の素®」を50万トンとして、その原料が全てサトウキビと仮定して表したモデルです。 サトウキビ栽培ならびに製糖産業に関わる数値は世界の標準的な数値を用い、うま味調味料「味の素」生産に関する数値は味の素グループの実績に基づいています。サトウキビ栽培および製糖産業に関わる数値は世界の標準的な値を用い、「味の素®」生産に関する値は味の素グループの実績に基づいています。化学肥料製造に伴う排出CO2の削減に貢献副生物の資源化地域と共に、いつまでも作り続けられる仕組み太陽50万ha光合成によって大気中のCO2を吸収2,800万t製糖工場粗糖420万tコプロをイネの栽培に活用自社工場内でアンモニアを生産水+窒素=アンモニア窒素分(アンモニア)を生成発酵液新しい触媒を 使うことで 環境負荷を低減発酵菌発酵菌と副原料 (窒素分)等を加える地域の恵みで生産し、地域に実りを還す  味の素グループは、製品に使用するアミノ酸を、それぞれの地域で入手しやすい農作物を主な原料として発酵法で生産し、 アミノ酸を取り出した後に残る栄養豊富な副生物(コプロ)を肥料や飼料としてほぼ100%活用しています。こうした地域の農業を豊かにしながら、持続的に農作物を調達する資源循環型アミノ酸発酵生産方法(バイオサイクル)を、食資源の安定的な確保の実現および持続可能な農業への貢献方法のひとつとして、世界各地の発酵工場で導入しています。アンモニアのオンサイト生産の実現に向けて  味の素グループは、アミノ酸を発酵生産する際にアンモニアを購入して使用していますが、現状、アンモニアの生産には大型のプラントが必要な上、輸送費も発生するため、環境負荷とコストが課題となっています。その解決に向けて、味の素(株)は、東京工業大学の細野教授らと共に、新しいアンモニア生産技術の実用化を目指す新会社として、つばめBHB(株)を2017年に設立しました。細野教授らが発明した新触媒をアンモニア生産に利用することで、必要量のアンモニアを自社工場内で生産できるモデルの構築に取り組み、2021年頃を目途に実用化を目指しています。これにより、生産や輸送における環境負荷を低減しながら、アンモニアの安定調達とコスト削減を実現していきます。バイオサイクル

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