味の素グループ 統合報告書2018
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1,200900019営業キャッシュ・フロー推移(平均)(億円)予想(年度)株主価値向上に向けた取り組み株主価値向上営業CF最大化ROE向上当期利益最大化(事業利益ベース)財務レバレッジ 事業利益/EBITDA成長CCC効率化ROA向上効率化1,166CCC効率化2017年度実績連結子会社の 持分比率引き上げタックスマネジメントバランスシートスリム化適切な資本構成の実現三位一体の資源配分による 成長促進投資回収マネジメント強化1,1588092007〜20132014〜20162017〜2019ROE向上 グローバル食品企業トップ10クラスの効率性を実現する上で、収益性の向上とともに財務レバレッジを効率化することによる資本コストを上回るROEの向上が重要と考えています。味の素グループの資本戦略において基本的な指標である加重平均資本コスト(WACC)は概ね5%程度と認識していますが、特に、株主資本コストの低減および連結子会社の持分比率引き上げを通じた当期利益拡大に取り組み、ROEの向上を目指していきます。連結子会社の持分比率引き上げについては、段階的に非支配分の株式を買い取ることを目標に、現地パートナーに対し丁寧な説明を重ねています。 同時に、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(以下、CCC)の効率化による運転資本の改善や、味の素グループ全体の現預金を有効に活用し、バランスシートのスリム化を図る考えです。 また、味の素グループでは「グローバル・タックスに関するグループポリシー」を導入しており、各国・地域の税制への準拠と税務リスクへの対応を行いながら、当期利益およびフリー・キャッシュ・フローを最大化できるよう一体的な管理に努めています。営業キャッシュ・フロー最大化と成長投資 味の素グループには、1,000億円以上の営業キャッシュ・フローを継続的に創出できる力が備わりつつあります。CCCは、在庫削減による棚卸資産回転日数の短縮によって、2017年度は6日の短縮を実現しました。現在取り組んでいる構造改革の成果が出てくると、キャッシュ・フロー創出力は今後一層高まる見込みです。 成長投資のための最適な資源配分の方針を策定する仕組みとして、2016年より経営レベルでの事業ポートフォリオ会議を開催しています。それ以前は、部門や事業ごとに必要な投資を各項目別にその都度経営会議で審議していましたが、本会議では、10年後の目指すべきポートフォリオを決め、それに必要な資源配分を行うべく、設備投資、R&D、M&Aを三位一体で検討しています。17-19中計では、海外食品、おいしさソリューション、先端バイオ医療周辺領域の事業に重点的に配分する計画としました。 地域ポートフォリオの安定化という観点で売上構成を見ると、以前はタイ中心だった海外食品事業も、今ではその依存度が1/3程度となり、他の国や地域が着実に伸びてきています。タイについても、缶コーヒー事業は苦戦するも、調味料事業は伸長しています。こ1,266 億円

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