味の素グループ 統合報告書2018
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1234「21世紀の人類社会の課題」の解決に取り組む われわれの社会的使命は、開発、原材料調達、生産、販売というわれわれ自身の活動から生活者や顧客の使用シーンに至る全バリューチェーンを通して、また、すべての顧客やサプライヤー、そして従業員と家族の社会生活において、「健康なこころとからだ」「食資源」「地球持続性」の3つに対して常に主体的に貢献していくことです。具体的な課題は、2005年から社外のステークホルダーとの対話を繰り返して、2017年に「当社グループに期待される課題解決」を踏まえマテリアリティ(重要課題)を更新し、統合報告書とサステナビリティデータブックに詳細を掲げています。われわれの中期経営計画をSDGsやパリ協定で採択されたイニシアティブと整合させるにあたり、私が強く意識したのは、17-19中計で掲げた「2020年度統合目標」と「環境長期ビジョン」に示したコミットメントが国際的合意をリードするものとなることです。14 さらに、アミノ酸由来の高機能培地は、急速に進むiPS細胞等の最先端の再生医療研究・開発になくてはならないものになっており、近い将来、画期的な医薬品、医療の実現に大きく貢献できるものと確信しています。 このように、味の素グループは、「先端バイオ・ファイン技術とそこから生まれたおいしさ設計技術」と「徹底した現地・顧客適合のマーケティング力」をコアコンピタンスとして、グローバルに食品事業とアミノサイエンス事業の分野で絶え間なく社会課題を解決することで持続的に成長していきます。重点的な取り組み われわれは、なによりも万全の品質保証を第一責任とします。その上で創業の志「おいしく食べて健康づくり」を事業の中核にして、発展的に世界中の人々に「Eat Well, Live Well.」をより多くの機会に実感していただけるように、食とヘルスケア、ライフサポートの分野でのモノづくり、サービスを通じてこのイニシアティブを発揮していきます。 経営陣は、このイニシアティブによって社会にもたらす価値と企業として追求する経済価値を同時に高めることで味の素グループを持続的成長に導いていきます。そのためにこの価値共創をASV(Ajinomoto Group Shared Value)と名付け、中長期にわたるビジョン実現のための企業戦略の骨子として味の素グループ全体への浸透を図り、17-19中計を策定し、その遂行をけん引しております。 さらに、本中計において、事業活動を通じて次の4つの社会課題に重点的に取り組んでいます。 栄養情報不足による栄養バランスの崩れがもたらす「不足栄養・過剰栄養」 都市への一極集中や急速に進む高齢化等ライフスタイルの変化による多忙化、 孤食化がもたらす「こころの健康問題」 「食資源の枯渇とフードロス」の食資源課題 製品ライフサイクル全体での地球との共生(カーボンニュートラル、フードロスの半減、 持続可能な調達、持続的な水資源保全、廃棄物のゼロエミッションの実現)社長メッセージ味の素グループの社会的使命とイニシアティブ

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