生活に密着!アミノ酸のチカラ

スポーツとアミノ酸

効果を実感!アミノ酸の多様なパフォーマンス

スポーツとアミノ酸

POINT

  • わたしたちの筋肉がたんぱく質からできているのは、ご存知ですか? そのたんぱく質(筋たんぱく質)を構成している必須アミノ酸のうち約4割を占めているのが、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)です。
    また、BCAAとともにカラダを動かすときに役立つアミノ酸としてアルギニン、グルタミン、シスチン・テアニンなどもあり、これらのアミノ酸を補給すると、カラダへの負担を軽減し、体調管理もうまくいくようになり、スポーツをより上手にできるようになることがわかってきています。

アミノ酸利用で筋肉痛の軽減も期待!

筋肉痛の中でも、運動後、数時間から数日経ってから感じる筋肉の痛みを「遅発性筋肉痛」といい、筋肉の損傷や炎症などが原因ともされています。 この遅発性筋肉痛がアミノ酸の摂取によって軽減されるかどうかを検証したデータがあります。 BCAAなどのアミノ酸を摂取または非摂取の2グループに分け、肘の関節の曲げ伸ばし運動を継続し、その後の筋肉痛や筋肉損傷の程度を測定したところ、アミノ酸摂取グループでの程度が低く、効果があったことが認められています。

上腕屈筋群の持久的運動に伴う筋肉痛と血漿CK活性値の変化
Nosaka et al., Int. J. Sport. Nutr. Exerc. Metabol., 16, 620-635, 2006.

ゴルフにアミノ酸をとりいれよう

ゴルフは長時間にわたってかなり肉体を酷使するスポーツです。そのため、普段あまり運動をしていないゴルファーが健康増進のために月1回程度ラウンドをしても、ショットに正確性を欠いたり足のふんばりがきかなくなり疲労が蓄積して、本来の目的とは逆の結果になってしまうことがよくあります。 運動を続けると、筋肉のたんぱく質がアミノ酸に分解されて、エネルギー源として利用されますが、これが筋肉疲労の一原因です。ゴルフをプレーする時に、BCAAなどのアミノ酸を取り入れることで、ラウンド後半でも疲労を軽減し、カラダをしっかりと動かせるようになります。 ゴルフスコアについてのアミノ酸の効果が検証されています。 12名をアミノ酸摂取とアミノ酸非摂取の2グループに分け、スコアなどについて調査した結果、ラウンド終盤の16〜18ホール、いわゆる疲労がピークに達すると言われている「上がり3ホール」で、アミノ酸摂取群にて非摂取群よりもスコアが平均で1.3改善されるなどの結果が確認されました。 これは、アミノ酸を摂ることでダメージが少なくなり、筋肉疲労が軽減したことによると考えられます。

ゴルフのトータルスコアの比較
片山ら、日本トレーニング科学会, 2008.

マラソンにアミノ酸を取り入れて、もっとねばりを!

マラソンは、スポーツの中でもカラダへの負担が特に大きい過酷な競技であり、筋力や持久力などで高い能力が求められる陸上競技です。 筋肉では、筋たんぱく質が合成されると同時に分解も進んでいます。アミノ酸を運動をする際に摂取すると、筋肉のたんぱく質の合成をさらに促進し、分解をより抑制する機能が発揮され、結果として筋たんぱく質を効率的に増やすことが期待できます。

アミノ酸投与による筋たんぱく質代謝の変化
Biolo et al., Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab., 273, E122-9, 1997.

フルマラソンなど何時間にも渡る運動を続けていると、エネルギー源となるグリコーゲンも脂肪も使い切り、筋たんぱく質からアミノ酸を取り出して使うようになり、筋肉の損傷も起こってしまいます。しかし、アミノ酸の摂取でこの損傷も軽減でき、結果としてスタミナを維持することが期待できるようになります。

また、アミノ酸で、筋肉が損傷した部位の修復や早期回復なども可能になると考えられています。 被験者をアミノ酸摂取とアミノ酸非摂取の2グループに分け、400mのトラックを25周する運動を、中1日空けて2度行い、計20kmに相当するランニング試験をおこなった報告があります。 この試験では、1回目はアミノ酸摂取グループに比べて非摂取グループの運動タイムがよい傾向がみられましたが、翌々日の2回目では非摂取群のタイムが遅くなり、両グループ間の差があまりみられなくなったという結果がでています。

ペース走中のアミノ酸摂取群とアミノ酸非摂取群の1週(400m)ごとのタイム
Ohtani, et al., 49th ACSM in St. Louis , 2002.

これとは別に、フルマラソンにて193名のランナーを、BCAA16gの摂取または非摂取の2グループに分けてタイムを計測しました。その結果、タイムが3時間5〜30分のランナーでは、アミノ酸摂取グループで5〜6分のタイム短縮が確認されました。(Blomstrand et al., Eur J Appl Physiol Occup Physiol. 63(2), 83-8. 1991)

アミノ酸を使って安全な山登りを

登山は、長時間に渡って斜面などを昇り下りする、特に下半身の筋肉を酷使するスポーツといえます。そのため、陸上競技などと同様に、不足しがちなエネルギー源を得るために、筋肉中のたんぱく質を分解しやすく、筋肉に損傷がおきやすくなります。 山登りでは、カラダに感じるキツさから、昇りが大切で下りは楽、と思われがちです。しかし下りでは、筋肉が不得意である、引き伸ばしの動きがほとんどのため、脚へのダメージが高くなっているのです。 また、脚への衝撃度も、下りでは昇りの2倍にもなることも検証されており、下山中、気がつかないうちに筋肉が損傷し疲労が高まり、その結果転落や滑落などの山岳事故を招きかねないことも指摘されています。

登山におけるアミノ酸の有用性についての検証データがあります。 8名の被験者をアミノ酸摂取とアミノ酸非摂取の2グループに分け、ビルの階段を利用して標高差1200mの登山に相当する昇降運動(昇り運動をくり返した後、下りをくり返す)を行い、安全に登山を行う際に重要な能力などについて調査しました。その結果、危険を察知した時に瞬時に反応できる敏しょう性や、足場の悪い場所でもカラダの姿勢を保つ平衡性などの能力において、アミノ酸を摂取すると運動後でも改善する効果が認められました。 また、筋肉損傷の程度も、アミノ酸摂取グループにおいて、低くなる傾向がありました。 アミノ酸を摂取することにより筋肉の損傷が軽減した結果、疲労が抑えられたと考えられます。

運動前後での全身反応時間(敏しょう性)の変化率(運動前の数値を100%として比較)
萩原ら、登山医学, 28, 103-112, 2008.

アミノ酸と運動で、じょうずにメタボ対策を!

メタボリックシンドローム対策として注目されているのが、基礎代謝です。この代謝は、運動などの活動だけでなく、呼吸や体温などの生命維持とも関係しています。 基礎代謝量は、1日の消費エネルギー量の約70%を占めるものの、一般的に加齢とともに減り続けることがわかっています。この基礎代謝エネルギーの内、かなりの量が筋肉で消費されるため、筋肉量を増やせばこの代謝量も上がると考えられます。その結果、体脂肪率も低くなり、メタボリックシンドローム対策も期待できるようになります。 筋肉量を増やすには、適度な運動を継続して実施するとともに、筋肉の材料であり、筋たんぱく質量のアップに役立つBCAAなどのアミノ酸を摂取することがおすすめです。 運動に慣れていない人がいきなりカラダを動かすと、筋肉疲労や遅発性筋肉痛が起きやすく、継続することが難しくなりがちです。アミノ酸を用いると、このような問題を軽減することも期待でき、結果として効率的に運動できるようになります。 メタボ対策に運動とアミノ酸を組み合わせた検証データがあります。 肥満と判定された女性7名(身長161cm、体重69.7kg、体脂肪率37.5%、BMI26.8)が、3ヶ月間、1日にアミノ酸5gを摂取し、最初の2ヶ月間のみ週2回1回40分のウォーキングエクササイズを組み合わせて行いました。その結果、体重は1ヶ月目から低下し、ウォーキングエクササイズをやめた2ヶ月目以降には体重のリバウンドも起こらず、体脂肪率も落ちることに成功しました。 これは、アミノ酸と運動を組み合わせることにより、筋たんぱく質量が上がった結果、基礎代謝も向上したことによると考えられます。

体重と除脂肪量(筋肉量)の変化
小笠原ら、日本トレーニング科学会, 2007.