“熟成肉”はなぜおいしいの?家で簡単につくる方法とは
話題のグルメトレンドといえば“熟成肉”。「生ものを熟成って、それは腐らせてしまうことではないの?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
チーズや生ハムなどのように熟成や発酵を進めたもので、新鮮なお肉とは違った味わいが特徴的。温度や湿度、風を調整する「ドライエイジング」という製法でつくるのが代表的な製法です。
しかし、お肉を熟成するとなぜ「おいしさが増した」と感じるのでしょうか。
●お肉を熟成するとおいしくなるのは、◯◯が増えるから
「ドライエイジング」は、風を当て続けることで肉が含む余計な水分を飛ばし、タンパク質やミネラルを凝縮する製法です。
余計な水分を飛ばすことで肉が乾燥し、凝縮されたタンパク質が「アミノ酸」に変化。ここがポイントなのです。
食べ物のおいしさを構成するうえでもっとも重要な役割を果たす「うま味」、これは「アミノ酸」に由来するもの。
肉自体「うま味」成分の「アミノ酸(グルタミン酸塩)」を含み、そんな肉に含まれる「アミノ酸」がさらに増えることで「うま味」が増し、繊維がほぐれて食べやすさも増し、「おいしい」と感じるようになるというわけです。
“熟成肉”と聞くと、お店で食べるには高価で、到底自宅で簡単につくることができるようにも思えません。でも、「肉のアミノ酸を増やせばいい」と聞くと、なんだか近づけることはできそうな気がしませんか?
●どうしたらアミノ酸は増えるの?使うのはこれ!
自宅で「ドライエイジング」を実践するのは、菌のコントロールが難しいもの。長期熟成は難しく、それこそお肉を腐らせてしまいます。では、どうすれば良いのでしょうか。
漬け物を思い出してください。野菜を塩や味噌に漬けることによっておいしくなるのは、野菜に含まれるタンパク質が発酵によってアミノ酸(グルタミン酸塩)に変化するからなのです。
つまり、漬け物の要領で塩や味噌、塩こうじなどに漬けて発酵させれば良いということ。
このように家庭でも、アミノ酸を増やす法則さえわかれば食材の「うま味」を引き出してあげることは可能なのです。ぜひいつものお肉をご家庭で漬けて、ワンランク上の料理を実践してみてください。