支援報告第6弾 皆さまからの支援金で「相馬はらがま朝市クラブ」に新たな仲間が加わりました!


食からの東北復興支援を目的とした“食卓からニッポンを元気に「食べるって楽しい!」プロジェクト”。その第6弾として、総額900万円を「NPO法人 相馬はらがま朝市クラブ」に寄付しました。

東日本大震災による津波で大きな被害を受けた福島県相馬市。10m近くの津波が町を襲い、沿岸部に立ち並んでいた民家や水産加工施設、商店などはほとんどが流出してしまいました。そんな中、被災地の人々のために物資を集め、地元の人のために「朝市」を開いたのが水産業を営んでいた髙橋 永真理事長。
「相馬はらがま朝市クラブ」を立ち上げ、その時のニーズにあった物資を販売してきました。支援がひと段落した現在は、福島の食を多くの消費者に届けるために、相馬の食材のブランド化や通信販売に取り組んでいます。

「相馬の港は鮮魚で知られていました。でも、原発事故の影響もあり、震災前に戻ることはできない。これまでの成功体験にしがみつくのではなく、水産加工やセット販売など、消費者の心に響く商品を販売していかないといけないんですよね」と高橋さん。プロトン凍結(電磁場を利用して凍結時の細胞破壊を最小限に抑えることにより、商品の鮮度を維持できる冷凍技術)を使った新商品など、今後もどんどん新しい取り組みにチャレンジしていきます。

現在の活動の中心は、各地で開かれているイベントへの出展や、相馬市とともに運営しているインターネットの通販サイト「美味いもん 相馬本家」。「通販分だけでも売り上げは、前年度の約3倍になりました。今後もっともっと、大きく展開していきたいですね」。販売担当の押田一秀さんはそう話します。

そんな「相馬はらがま朝市クラブ」に今後もっとも必要になるのが人材です。味の素株式会社では、今回、「相馬はらがま朝市クラブ」の販売力強化に向けて人材を確保するための費用を支援しました。支援を活用して雇われたのが3人のフレッシュな仲間です。

「高校を卒業後、九州の学校に通っていました。住んでいたころは、それほど愛着を感じていたわけではありませんでしたが、いざ就職の時期になり、外から来られた方が地元相馬を盛り上げようと頑張っている姿を見て、自分も地元で役に立ちたいと思うようになりました。今は、語り部の勉強をしており、相馬でのストーリーに共感いただいて商品を買っていただけるにはどうしたらよいか、日々勉強中です」。そう話すのは、一番の若手大亀(おおみか)郁美さん。地元で育った自分ならではの目線で相馬をPRしたいと言います。

高橋大善さんは、ウェブサイトの構築が担当。「東京の通販会社でプログラミングの仕事をしていました。大きい会社で様々な経験をさせていただきましたが、やはり全体が見えない中で歯車の一つという感覚はぬぐえませんでした。今の仕事は、自分で何をすべきかから考え、新しいことにも挑戦できるので、日々成長が感じられます。私も相馬出身です。相馬の良いものを伝える仕事の一環を担えるのは、本当に楽しいですね」。ウェブの作業と同時に、漁師同士がコラボして作る、新製品の開発も行っています。

清水公太さんは、支援プロジェクトの一環として東京の企業に籍を置いたまま相馬に来られ、「美味いもん 相馬総本家」の運営に初めから携わっていました。支援プロジェクトの枠組みが終了した後も、企業を退職し、相馬に残ることを決意。今回の支援で雇用が決まりました。「相馬にこんなおいしいものがあって、こんなすごい人たちがいるんだということを知ることができて、このことをもっともっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。使命感とかではない。ただ、中途半端にはしたくなかった。地元の方の情報発信の手伝いができるように、これからもっとサポートしていきたいです」。

三者三様のこの仕事に対する力強い思いを語っていただきましたが、みなさん共通して、自然体の語り口だったのが印象的でした。新戦力が加わり、より積極的に販売強化に取り組む「相馬はらがま朝市クラブ」。これからもその活動から目が離せません。


押田理事、高橋理事長


「相馬はらがま朝市クラブ」でプロトン凍結で作られたタラフライ


大亀さん


高橋さん


清水さん

みなさまのあたたかいご協力、ありがとうございました。

支援先

「NPO 法人 相馬はらがま朝市クラブ」
http://www.ab.auone-net.jp/~haragama/request.htm
「美味いもん 相馬本家」
http://www.soma-brand.jp/
市内の経済の約70%が漁業関係という相馬が、震災により完全に壊滅。
働き手の多くは県外に職を求めて転居しました。
そんな中、「もう一度この浜の町を元気にしよう!つながろう!」とできたのが「NPO相馬はらがま朝市クラブ」です。
市民と協力しての「はらがま朝市」の開催や、通販サイトを利用した販路の拡大などを行っています。