支援報告第1弾 かまいしキッチンカープロジェクト 活動ご報告

「食べるって楽しい!」プロジェクトの第1弾として、「ほんだし」の売上の一部(1箱につき1円)を寄付した、「財団法人釜石・大槌地域産業育成センター」のキッチンカープロジェクト(かまいしキッチンカープロジェクト)。
寄付を活用して被災した事業者が活動するためのキッチンカー2台の購入に役立てることとしていましたが、このキッチンカーが活動準備を整え、順調に営業を開始しています。

1台は、釜石出身の阿部功一さんが経営する「BEC`K(ベック)」。十数年前に釜石に帰ってきた時から、独立の思いを心の中に閉まっていた阿部さん。なかなか復興が進まない町の状況を「何年経ったら復興するのだろう」と他人事のように考えていたそうです。しかし「以前から思い描いた夢で自分にも復興の手助けができるのかも知れない」と思い立ち、起業を決意しました。
「お客様とのコミュニケーションを大切に、お客様と共に自分の家のような寛げるお店づくりを目指します」と阿部さん。ランチタイムには、自家製ソースの“すぱげてい”やチーズ入りふわふわオムレツを乗せたオムライスをメインに、ディナータイムには、和洋中を織り交ぜたメニューを用意し、仲間同士や仕事帰りに1人でも気軽に立ち寄れるような和みの空間を提供しています。1ヶ月おおよそ800人以上のお客様が「BEC`K」を訪れるそうです。「まずはここで多くのお客様に食べて頂き、店としての基盤をしっかり築いていきたいですね」。
「BEC`K」は、釜石市中心部のキッチンカープロジェクトの拠点でもある「大町ほほえむスクエア」で営業しています。

もう1台のキッチンカーは、大船渡出身の森初子さんが経営する「天使の森」。いつか自分の店を持ちたいという夢を持っていた森さんは、今回の震災で助かったことの意味を考え、自分で行動を起こす事を思い立ち、「今できる事があるはず」と起業を決意されました。その後富士宮市で「富士宮やきそば学会」の研修を受けてノウハウを学び、地元である大船渡で、本場の味を提供しています。
麺のモチモチ感とキャベツの歯応えが堪らない森さんの「富士宮やきそば」を目当てに、連日たくさんの方が訪れます。「食べてくれる人と会話しながら提供できるのが楽しい。料理で一番大切なのは、『愛情』だと教わりました」という森さん。「地域の方がふらっと立ち寄ってお茶が飲めるような場所をつくりたい」と、飲食ができるスペースもつくりました。「家にいるより居心地がいいっていわれますよ」。キッチンカーを通じて、地域の方が笑い合い、憩える場を提供しています。

今後も、「食卓からニッポンを元気に」の理念のもと、「食べるって楽しい!」プロジェクトを継続的に実施し、東北の復興を支援していきます。


「BEC`K(ベック)」店主の阿部さん


自家製ソースの“すぱげてい”


「天使の森」店主の森さん


富士宮やきそば

みなさまのあたたかいご協力、ありがとうございました。

支援先

気仙沼

公益財団法人 釜石・大槌地域産業育成センター http://www.ikusei.or.jp/
釜石・大槌地域を中心に、震災後は地場企業の復旧・復興に向けた様々な取り組みをしている支援機関です。津波で流出した飲食店舗の復興の第一歩として「かまいしキッチンカープロジェクト」の運営を行っています。
かまいしキッチンカープロジェクト  http://www.k2cp.jp
2011年6月から津波で被災した飲食店主らに整備したキッチンカーを貸し出し、営業の再開を支援しています。これまでに実店舗での営業を再開するため、5事業者が卒業し、現在の営業台数は10台。釜石市をはじめ各地に「おいしい!」を届けています。