| グリシン、アラニンなどは甘味、バリン、ロイシンなどは苦味、そしてアスパラギン酸やグルタミン酸には酸味とうま味があります。ひと口に苦いアミノ酸といっても、バリンには多少甘味もあります。グリシンやアラニンの甘さは、砂糖の甘さに比べるとさっぱりとしています。それぞれの味をもったアミノ酸の組み合わせが食べ物の味を決める重要な要素になっています。 グルタミン酸がうま味成分であることが発見されてから、アミノ酸と味との関係を探る研究がすすめられてきました。 食べ物に含まれるアミノ酸を測定してみたところ、私たちが感じる味は、そこに含まれているアミノ酸の種類と量に大きく関係していることがわかりました。 |
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| トマトの味は主に2つのアミノ酸、有機酸と糖でできています。アミノ酸であるグルタミン酸とアスパラギン酸はトマトの味には欠かせません。2つのアミノ酸の割合も大切なポイントで、グルタミン酸とアスパラギン酸が4:1の割合で含まれているときにもっともトマトらしくおいしい味になります。 夏のはじめに黄色い花を咲かせたトマトの苗木は、やがて小さな青い実をつけます。太陽の光をたっぷり浴びて赤く熟していく間に、糖分とともにアミノ酸が増えていきます(図)。 また、トマトの味からグルタミン酸を除いてしまうと、うすいリンゴジュースかすっぱい梅のような味がします。 |
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| ズワイガニの味の正体は、ほんの数種類のアミノ酸と核酸、ミネラルです(図)。アルギニンは苦いアミノ酸ですが水産物らしい風味をひきだし、グルタミン酸のうま味はカニらしさを演出するなどそれぞれに役割を担っています。 ウニの味はおもに5つのアミノ酸(図)。この5種類を実際のウニと同じ割合で混ぜると見事にウニの味を再現できます。メチオニンはとても苦いアミノ酸ですが、ウニならではの味の決め手。ウニからメチオニンを除くと、エビやカニに似た味になってしまいます。 |
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| 私たち人間は古くから食べ物を大量に捕獲、栽培したり、保存したりする知恵や技術を生み出してきました。そして、単に保存するだけでなく、よりおいしく食べるために調理や加工の工夫をして食文化をつくり上げてきました。 発酵食品もそのひとつです。たんぱく質にはもともと味はありませんが、発酵によって大豆、魚、乳などのたんぱく質がアミノ酸に分解され、さまざまな味がかもしだされます。 代表的なのは日本の味噌、醤油、東南アジアの塩辛や魚醤、ヨーロッパのチーズやアンチョビなどですが、アフリカでは豆を発酵させたダワダワやスンバラ、その他の地域にも古くから使われる発酵食品があります。 保存がしやすく豊かな味わいをもつ発酵食品はアミノ酸の宝庫。風味づけや調味料の役割をして各地の料理をおいしく、個性的に演出しています。 |
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| 肉やお刺身の食べごろ | |||||
| 野生のライオンはまず、捕らえた獲物の膵臓、小腸や肝臓などを食べます。これらの臓器には、筋肉の部分にくらべてたくさんのアミノ酸が含まれているのでおいしいのです。ライオンが去って2〜3日経つとハイエナなど他の動物たちが獲物の筋肉の部分を食べにやってきます。ちょうどこのころ、筋肉のたんぱく質の分解がすすんでアミノ酸や核酸が増え、肉が一段とおいしくなるのです。また、私たちが食べるお刺身も、あまり新鮮すぎるとかえって味がよくないと言われることがあります。これも同様の理由です。魚はしめてから12〜24時間経ったころにアミノ酸や核酸が増え、うま味がピークになるのです。 | |||||




