鈴木三郎助初代社長
(前列右から2人目)
左へ池田菊苗博士と鈴木忠治2代社長

東京帝国大学教授の池田菊苗博士は、湯豆腐のおいしさに関心を持ち、1908年、昆布のうま味グルタミン酸が湯豆腐のおいしさのもとであることを発見します。池田博士は、これを「うま味」と名づけました。甘味・酸味・塩味・苦味に続く第5の味覚の誕生といえます。
翌年から、味の素KKの創業者、鈴木三郎助の手によってグルタミン酸ナトリウムが工業的に生産され、「味の素」という名のもとに商品化されるに至ります。「味の素」が商品化された1909(明治42)年以降、新聞広告などでの宣伝効果もあり、「味の素」は、順調に販売を伸ばしていきました。1914(大正3)年9月には、川崎市川崎区鈴木町に新工場が完成。月産1,000貫(4トン弱)の生産体制をととのえます。
その後、関東大震災や戦災をのりこえ、今日まで味の素KKの主要工場であり続けてきた川崎事業所。調味料だけでなく香粧品、医薬品など、川崎事業所の役割は、さらに大きく広がっています。

東南アジアではもちろん、かつて古代ローマでも使われていたとされる魚醤、味噌や醤油などの穀醤のうま味も、このグルタミン酸ナトリウムのうま味成分だったのです。その後、かつお節のうま味であるイノシン酸ナトリウムや干ししいたけのうま味グアニル酸ナトリウムが、日本の科学者により発見されていきます。こうした研究成果は、「ほんだし」や「ハイミー」など、味の素KKの風味調味料となり、日本の食卓へと届けられていきました。

「うま味」の発見以後も、欧米の学会では、甘味・酸味・塩味・苦味の「4つの基本味」説が有力でした。しかし、1985年には「第1回うま味の国際シンポジウム」が開催されるなど、今日では「UMAMI」は国際的な共通語となっています。また、1994(平成6)年11月1日、小売物価統計調査規則が改正され、「うま味調味料」と命名。広辞苑の記載も変更されました。