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市販のテンジャン、カンジャン、コチュジャン

チョルミョン:甘酸っぱいヤンニョムにかたい麺、もやしと生野菜がうまく調和した「チョルミョン」

韓国ではどの町にも、どこの学校の前にも、一般的に「ブンシッジブ(粉食屋)」と呼ばれる1〜2坪ほどの小さな食堂があります。学生も大人も、店の前で口をフーフー言わせながら、ピリ辛の「トッポッキ(韓国餅の炒めもの)」を食べるのが大好き。その場で簡単に食べられて、テイクアウトもできるファーストフードがトッポッキなら、お店の中でちゃんと座って食べるのは「ラーメン」と「チョルミョン」です。シコシコした麺に甘酸っぱくて辛い味付けがマッチするチョルミョンと、一般家庭では真似のできない粉食屋ならではのノウハウでゆで上げる、かための麺のラーメンは、小腹のすいた午後や夜更けの間食に、また、懐が心細い学生さんたちの食事としても広く親しまれています。

チョルミョンのはじまりは、ある冷麺工場でのこと。冷麺を作っているときに、たまたまできた1本のかたい麺がそのルーツです。ある粉食屋で、「チョルダ!(麺がかたい)」とお客に言われ、ついた名前がまさしく「チョルミョン(かたい麺)」というわけなのです。チョルミョンといえば、誰もがあの甘酸っぱい辛味に生唾を飲み込むほど。ヤンニョムジャンのおいしさを生かしたメニューです。もやし、キャベツ、にんじん、きゅうりなどのいろんな野菜に、固ゆでの麺がうまく調和したチョルミョン。あまりにも辛くて悲鳴を上げそうになったときは、具のゆで卵を一口ずつ食べてみてください。最後には辛さも消えて、大満足で完食できます。

豚骨でとった濃厚なスープに、生麺をゆでて合わせる日本のラーメンとは違い、韓国のラーメンはほとんどがインスタントラーメンです。どの会社の製品であろうと、鍋に水を入れてから食べるまで、およそ5分とかからない簡単な食べものです。ラーメンは強火で手早く作る方がシコシコした麺に仕上がるので、火力の弱い家庭で作るよりも粉食屋で食べるほうがおいしい。おまけに粉食屋ならではの独自のノウハウを加えて作るので、生卵とみじん切りのねぎだけのシンプルなラーメンから、二日酔いの時に食べるさっぱりした「もやしラーメン」、チーズを入れた「チーズラーメン」、ツナを入れた「チャムチラーメン」、暑い時に食べる「ネン(冷)ラーメン」や「ビビンラーメン」などなど...数え上げたらきりがありません。登山の時、頂上で作って食べたラーメンの味が忘れられない人、海外旅行の支度をまずラーメンからはじめる人、一日三食ラーメンでもOKという人など、ラーメンはいつ、どこでも簡単に楽しめる、人気の食べものになりました。ある食品会社の「辛ラーメン」というラーメンは、現在150種類にもおよぶラーメン市場において、十数年にわたり韓国人の熱烈な支持を得ています。この「辛ラーメン」は今や世界中に輸出され、韓国ラーメンの代名詞ともいえる存在。インスタントラーメンの生みの親である日本人が、一人当たり年間およそ40個のラーメンを食べているのに対し、韓国人は、2倍の約80個。そのうちの1/4がこの「辛ラーメン」といいますから、その人気のすごさを知ることができますね。

 
ラーメン:インスタント麺の代名詞「ラーメン」。作り方は万国共通 チョルミョン:「チョルミョン」のシコシコ麺は、見るからにかたそう

 

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