

栄養過剰は先進国のみならず、近年急速な発展を遂げている新興国においても社会問題化している重要な課題です。しかし、これまでの減塩、減糖、減脂のための素材は、食感や満足感をも含んだ「おいしさ」という観点においては砂糖や塩といった素材には及びませんでした。
そこで、おいしさを保ったままで健康価値を実現する素材の開発と、世界各地の実情に合わせた商品開発を行い、世界中の過剰栄養の解決と慢性疾患の予防に貢献します。
また、さまざまな食品素材は、調理・味付けすることでおいしい食事に生まれ変わります。フレーバー技術を活用した新調味料を開発し、栄養バランスの優れた食品を安く提供します。新しい食事は途上国の栄養不足を解消することができると考えています。そのような製品の開発とともに、途上国の社会問題に取り組んでいる社会セクターとの連携をさらに進めていくことで、効果の拡大を図ります。

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fMRIによる脳の画像解析
米国農務省(USDA-ARS)の主要研究機関の一つである、West Human Nutrition Research Center (WHNRC。カリフォルニア州、Davis)と味の素(株)は、米国最大の社会問題の一つである肥満問題の解決には、薬や外科的治療方法ではなく、日々の食生活における食品や栄養素に着目した新しい取り組みが必要であるという考えで一致し、「うま味がもたらす満足感による過剰カロリー摂取の抑制効果」についての共同研究を2010年10月より開始しました。
WHNRCは、うま味によりおいしく食べて満足感を高めることが過剰カロリー摂取の抑制に効果があるという味の素(株)の研究結果に着目しました。これは味の素(株)が進めている、健康な日本食のエッセンスとしてのうま味の有用性への大きな期待の表れです。本共同研究では、WHNRCに併設されているカリフォルニア大学Davis校の最先端機能的磁気共鳴解析(fMRI)による脳の画像解析などを用い、うま味摂取による満足感増強効果や健康な食行動制御のメカニズム解析により、同分野の基礎研究もリードしていきます。今後も最先端の研究活動を通じて、世界の人々の食と健康に貢献していきます。
TOPICS「だし・うま味」の味覚教室
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かつおぶし削り体験
「だし・うま味」の味覚教室は、子どもたちの食への関心を高める機会を提供し、和食やだし文化、「うま味」のすばらしさを知ってもらうことを目的とした食育活動です。
従業員が講師として小学校を訪問し、「おいしさ」や「味を感じるしくみ」、和食を支える「だし・うま味」について、体験も交えて楽しく授業をさせていただいています。
2006年度に活動を開始し、2010年度は全国で300授業以上実施、講師登録者数は役員も含め約800名になりました。参加した子どもたちからは「味噌汁にだしを入れておいしくなったのですごいと思った」(4年生)、「うま味を日本人が発見したのは意外だった」(6年生)などの感想をいただいています。一方、従業員が講師となって社会と関わりを持ち、食育活動に貢献することによって、自らの企業活動に誇りと自信を持つ機会ともなっています。
味の素(株)は、より多くの子どもたちに「だし・うま味」のすばらしさを知ってもらいたいと考えており、今後も「だし・うま味」の味覚教室を継続する予定です。
TOPICS「だし」のおいしさ、素晴らしさが体験できる「だしCafe®」
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オープニング式典

月に1度開催される料理教室にて
「だしCafe®」は、「だし」について知らない若者が増えている、という危機感から、「日本が誇るだしの素晴らしさを気軽に体験できる場所を」という想いでオープンしました。
店内では、お客様の目の前で一番だしをとる「だしとりデモンストレーション」、とりたての一番だしを使ったお吸い物などのご試食、「だしがらレシピ」のご紹介などを実施しています。
オープン後半年で、約2万名を超えるお客様にお越しいただき、「これからは塩分を控えて、だしをちゃんととっていきたいと思いました」などの嬉しい声も寄せられています。
これからも、さまざまな楽しい企画でたくさんのお客様にだしの良さをお伝えすべく、スタッフ一同尽力していきます。
「だしCafe®」について詳しくはこちら

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サクッとさんふっくら白身魚パッケージ

お弁当例
味の素冷凍食品(株)による消費者調査では、主婦が作るお弁当で最も多いのが夫向けとされており、2番目が中高生向けです。中高生向けお弁当における冷凍食品の利用者比率は約6割ですが、夫向けでは4割未満という結果になっています。特に冷凍フライ品に対しては、「カロリーが高い」「油っぽい」等、否定的な印象を持たれていることが分かりました。
そこで独自技術「高温蒸気フライ製法」を活用し、カロリーが低く、油っぽくないフライ品「揚げずにサクッとさん」シリーズを開発・発売しました。発売後、お客様の評価も高く、夫向けの弁当を中心に幅広くご利用いただいています。今後も味の素冷凍食品(株)の独自技術を活用した「おいしさ」と「健康」を兼ね備えた商品を発売し、人々のおいしく・健康的な食生活に貢献したいと考えています。

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<支援実績>
(1999年−2011年4月実績)
件数:53件/12カ国(インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、タイ、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ブラジル、ペルー)
総額:1億8千万円
受益者数:約8万人
味の素グループは、途上国での栄養改善をグローバル健康貢献企業としての重要な使命のひとつと考えています。AIN
※プログラムは、1999年の味の素(株)創立90周年を機に開始した「食・栄養」分野の国際協力支援活動です。国内外のNGO/NPOなどからプロジェクトを公募し、有識者による審査、味の素グループ従業員による視察を経て決定します。開始後は各国のグループ会社とともに栄養教育などを側面から支援し、質の高い活動を目指します。
今後も味の素グループが一体となり、さまざまなステークホルダーと連携のもと健康で活力ある社会の実現に貢献していきます。
※AIN:Ajinomoto International Cooperation Network for Nutrition and Health(味の素「食と健康」国際協力ネットワーク)

1. 栄養教育用の調理マニュアルにブラジル味の素社のレシピを活用(ブラジル)
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栄養改善講座
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調理実習
2009年4月〜2011年3月の2年間、「園庭菜園および地域で入手可能な食材を利用した子どものための栄養給食プログラム」(光の子どもたちの会)では、現地大学と連携して、ブラジル東北部にある貧しい漁村で子どもたちの栄養不良問題に取り組みました。
母親向け栄養改善講座や調理実習、子どもたちとの菜園づくりなどを実施しました。地域の食への関心が高まり、野菜の摂取量が増えました。
プログラム終了後に大学が作成した調理マニュアルには、ブラジル味の素社が本プロジェクトのために開発・提供したレシピが掲載されました。今後、同じ課題を抱える他の地域でも活用されます。
2. 学校間の交流を通して農業プロジェクトを活性化(タイ)
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学校給食
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養鶏
2010年4月〜2011年3月の1年間、「学校給食のための農業プロジェクト」(The Education for Development Foundation)では、給食に使用する食材確保のための農業を、生徒主体で実施しました。
地域の専門家のサポートのもと、野菜栽培、魚の養殖、養鶏などに挑戦。プロジェクトに参加した5校による交流ツアーでは、各々の経験や知識の交換が活発に行われました。また、地道な栄養教育の結果、生徒の食・栄養についての理解も深まりました。
タイ味の素社の推薦を受け、2011年4月からは、リーダーとなる生徒の育成や栄養教育を通じたコミュニティの参加促進などを目指し、2年間の支援をはじめました。
2010年度支援プロジェクト
(●・・・2010年度で終了)
| 事業名 |
団体名 |
実施国 |
期間 |
| 持続可能な地域住民参加協力型学校給食のためのシステム作り |
日本・バングラデシュ文化交流会 |
バングラデシュ |
2年 (2010〜2011年) |
| 貧困農村の母子の持続的な栄養改善を目指す食育プログラム |
特定非営利活動法人 ハンガー・フリー・ワールド |
バングラデシュ |
3年 (2010〜2012年) |
| バングラデシュ住民参加型による安全な水と栄養・健康に関する教材開発事業 |
社団法人 アジア協会アジア友の会 |
バングラデシュ |
2年 (2010〜2011年) |
| ●学校給食のための農業プロジェクト |
The Education for Development Foundation(現地非営利団体) |
タイ |
1年 (2010年) |
| 学校給食とオーガニック菜園を通じた食育プロジェクト |
LOOB JAPAN |
フィリピン |
2年 (2010〜2011年) |
| 「栄養教育・給食センター建設と菜園開発」による栄養改善事業 |
特定非営利活動法人 ピープルズ・ホ−プ・ジャパン |
インドネシア |
2年 (2010〜2011年) |
| ●家庭菜園を利用した農村部高齢者の栄養ケアの実践とモデル構築事業 |
ベトナム国立タイビン医科大学 |
ベトナム |
3年 (2008〜2010年) |
| ●ベトナム山岳地域における子どもの栄養改善事業−完全栄養母乳育児の推進 |
社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン |
ベトナム |
2年 (2009〜2010年) |
| ●先住民の子どもの栄養・健康改善のための栄養・健康教育を通した女性のエンパワーメントプログラム |
Universiti Putra Malaysia(現地大学) |
マレーシア |
2年 (2009〜2010年) |
| ●園庭菜園及び地域で入手可能な食材を利用した子どものための栄養給食プログラム |
光の子どもたちの会 |
ブラジル |
2年 (2009〜2010年) |
| 栄養改善のグッドプラクティス促進のためのネットワーク構築及び地域のエンパワーメント支援事業 |
特定非営利活動法人AMDA社会開発機構 |
ペルー |
3年 (2009〜2011年) |
AINプログラムについて詳しくはこちら
「食と健康」社会貢献フォーラムを開催
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フォーラム会場
2010年10月30日、味の素グループ高輪研修センターにて、「食と健康」社会貢献フォーラムを開催しました。フォーラムでは、世界の栄養問題の最新情報を概観しながら、支援プロジェクトの現地担当者による報告、参加者を交えてのディスカッションなどを行いました。学生・企業・栄養の専門家など、約150名にご参加いただき、「企業の国際協力に興味をもった」「世界の食・栄養の問題について勉強になった」等のご意見をいただきました。

味の素(株)創業100周年記念事業の一つである本プロジェクトは、開発途上国における大きな社会課題「栄養不足」を、持続可能なビジネスを通じて解決しようという「ソーシャルビジネス」確立の試みです。ビジネスとして成立させつつ、貧困地域の子どもの栄養問題を改善することで、国連ミレニアム開発目標
※に貢献していきます。
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健康診断に保健所を訪れた母子
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KoKoの調理
ガーナの伝統的な離乳食は、発酵コーンを用いた「KoKo」と呼ばれるお粥です。これはエネルギーやタンパク質、微量栄養素が不足しており、子どもの成長が遅れる一因となっています。この問題に対して、味の素グループがもつ技術や知見を活かし、乳幼児の栄養改善に貢献できる食品を開発します。
このプロジェクトは2009年度に、味の素(株)とガーナ大学、Nevin Scrimshaw International Nutrition Foundationの3者の協働で開始したものですが、3者だけでなく、さまざまな広がりをみせはじめています。
2010年4月には、栄養改善の取り組みで先進的なオランダのライフサイエンス企業DSM社と連携し、「オープンイノベーション」で製品開発をすることを決定しました。11月には、2つの国際NGO、公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン及び公益財団法人プラン・ジャパンとの間で、プロトタイプ製品の試験やマーケティングで協働する覚書を交わしました。12月には本プロジェクトが、日本の国際援助機構 (JICA)が行うBOPビジネス支援プロジェクトの1つに選ばれています。
| プロジェクトスケジュール |
2009-2010年度
- 離乳期栄養強化食品の開発、プロトタイプ製品の完成
- マーケット調査
- 消費者テスト
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2011-2012年度
- プロトタイプ製品を用いた効果確認試験
- 限定地域でのテスト販売
- 本格生産体制検討
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2013年度
- 本格販売、普及
- ナイジェリアなど西アフリカ他国への横展開検討
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ガーナ保健省との覚書の締結
さらに2011年4月には、ガーナ保健省 Ghana Health Service(GHS)と、プロトタイプ製品の開発効果確認試験実施、栄養教育などについて協働する覚書 (Memorandum of Understanding)を締結しました。本プロジェクトの意義がガーナ保健省にも理解されたといえます。
今後は、現地生産の早期立ち上げとともに、この製品をいかに貧困層に届けるかを検討し、ソーシャルビジネスモデルを確立していきます。そしてガーナモデルを他の開発途上国へ展開していきたいと考えています。
※ 国連ミレニアム開発目標(MDGs):「2015年までに世界の貧困を半減すること」などを目指し、開発途上国の貧困問題解決のために、国連や各国政府などの諸機関が共通の目標として8つの目標にまとめたもの。日本を含む189ヵ国が採択した2000年の「国連ミレニアム宣言」と、主な国際開発目標をもとに設定され、達成期限と指標が設定された目標。
ガーナ栄養改善プロジェクトについて詳しくはこちら [
:1.4MB]
公益財団法人ケア・インターナショナル・ジャパンについて詳しくはこちら(外部サイトへ移動します)
公益財団法人プラン・ジャパンについて詳しくはこちら(外部サイトへ移動します)

「アミノインデックス®」は、血液中の各種アミノ酸濃度から、健康状態や疾病の可能性を明らかにする、味の素(株)が独自に開発した技術を活用した解析サービスです。味の素(株)は、2011年4月1日に「アミノインデックス®」事業を開始しました。まず、がんリスクスクリーニング検査を、受託臨床検査会社の株式会社エスアールエルとともに予防医療領域から着手し、人間ドックへの導入を中心に展開していきます。
「アミノインデックス®」では1回の採血で簡便に、全く新しいアプローチでの健康チェックが可能です。現在は、肺、胃、大腸、乳腺(女性)、前立腺(男性)の5つのがんの検査ができます。今後も婦人科がんやメタボリックシンドロームなどの、新しい検査項目を増やしていくための研究開発を継続しています。将来的には“病気の予兆を見逃さない”検査体制の一翼を担うことができると考えています。
味の素(株)はこの事業を通じて、アミノ酸という新しい切り口で健康状態を測る機会を広く社会に提供します。そしてそれに基づく栄養ソリューション等の提案を通じて、がんやメタボリックシンドロームなどの2次予防をはじめ、健康の維持と医療の発展、高騰する医療費の抑制に貢献していきたいと考えています。
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