
日本の社会は急激な高齢化に伴い、2030年には高齢者が人口の3分の1に達するといわれています。なかでも介護・支援比率が急増する後期高齢者が増加の中心であり、医療・介護負担をはじめとする深刻な社会問題が危惧されています。
この解決にはさまざまな取り組みが必要です。なかでも大切なのは、何歳になってもずっと元気に過ごし続けられるようにすることであると味の素グループは考えています。介護を必要とせず自立して暮らす元気な高齢者が増えることが、危惧されている問題を乗り越え、健全な長寿社会を実現させるための大前提です。
高齢化に伴う健康状態の低下の大きな要因として、食が細くなり、蛋白質・アミノ酸を中心とする栄養素を必要な量まで十分に取れなくなることと、体が必要とするさまざまな成分を十分に体内で作れなくなることの2点が挙げられます。いわゆる老化現象の多くはこれらに関わってきますが、食生活と栄養の工夫によりこの問題はある程度是正できると考えています。この考えに基づき、幅広い研究開発を継続・強化していきます。
加齢に伴って食が細くなることによる栄養摂取不足に対しては、(1)食欲の向上、(2)必要な栄養素をコンパクトに配合した食品の創出、の2方向で研究を進めています。
高齢になると口と胃腸の機能が衰え食欲が低下しがちになりますが、食品中のうま味成分であるグルタミン酸は「口と胃腸の健康」を様々な面から支えて食欲を高め、高齢者の食べる楽しみと栄養に貢献しています。例えば、弱った胃腸にとってタンパク質の消化は大きな負担ですが、グルタミン酸は消化酵素の分泌を助け、タンパク質の消化吸収を高めることが分かっています。うま味成分を上手く活用することで高齢者の胃腸機能を高め、食欲を上げて栄養状態の改善ができないか、現在研究を精力的に進めています。

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