食資源の課題

食資源の課題を例示した図です。食資源の需要と供給は、バランスが大きく崩れています。供給面としては、世界の穀物収穫面積は、※1 FAOによると、1961〜1963年の実績である6.5億ヘクタールから、2002〜2004年には6.7億ヘクタールにしかなっておらず、ほとんど横ばいといっていい状況です。単位面積当たりの収穫量(単収)の伸び率は1960年代の3.0%から1990年代は1.3%と年々鈍化しており、生産効率が伸び悩んでいるのかわかります。出所は※2 また、世界では牧草地を含めたあらゆる農地の40%が、土壌流失・養分不足など深刻な問題を抱えています。出所は※3 つまり、なかなか供給量が増える状態にはないということです。需要面としては、人口増加による需要増が考えられます。世界人口は2050年には93億人※1に増加し、2050年までに必要な食料生産は2005年の70%増※2。ライフスタイルの変化などにより、途上国の1人当たりの食肉消費量が1990年代後半から2030年までに40%以上増加することが予想されています。出所は※3 また、日本で食用にされる食資源のうち、5〜10%が廃棄されていることが分かっています。出所は※4 さらに、世界のバイオエタノールの生産量は、2000年〜2007年の間で3倍になり、2017年までにさらに倍増すると予想されています。出所は※5 すなわち、需要は今後も増加し続けることが明らかです。食資源の課題を例示した図の説明終了。

今何が起きているのか

人口増加で食料需要が急拡大

世界の人口は2011年に約70億人、2050年には93億人にもなることが予想されています。人口が増えれば、当然、たくさんの食料が必要になります。それだけでなく、経済的に豊かになって肉を食べるようになると、家畜を育てるための穀物が必要になります。1kgの肉のために、鶏は4kg、豚は7kg、牛は11kgの穀物を必要とします。
またバイオ燃料は、原料に穀物などの糖類を使うため、食料と競合します。さらに、廃棄物として捨てられる食資源も多く、全体の需要を押し上げています。

食料供給は不足

需要が増える一方、食料を生産する耕地の面積や単位面積当たりの収穫量は、あまり伸びていません。これまで耕地だった土地がやせたり、気候変動で気象条件が変わって、これまで作ってきた作物の栽培が続けられなくなることもあります。
食資源の需要拡大に対して、食料生産はそれに対応しきれるほど拡大できる見込みが薄く、需要と供給のバランスが崩れつつあるのです。 ※ 国連World Population Prospects, the 2010 Revision

食料生産について

  • 世界の穀物収穫面積はほとんど横ばいで増えていない。
  • 単位面積当たりの収穫量の伸び率が鈍化しており、食糧生産を増加させることが困難になっている。
  • 耕作地や牧場の土地がやせ、食料を育てる環境が悪化している。

食資源の活用について

  • 人口増加に伴い、2050年までに食料生産を70%増加させる必要がある。
  • 途上国・新興国のライフスタイルが変化し食肉消費が増えたことで、家畜飼料の需要が増加している。
  • 先進国を中心に、食べられる食資源が食品廃棄物として大量に捨てられている。
  • バイオマスエネルギーの需要拡大により、燃料と食料の間で食資源がとり合いになっている。

各データの出所

【供給側の課題】

※1・2 FAO「FAOSTAT」
※3 国連ミレニアム生態系評価(Millennium Ecosystem Assessment)

【需要側の課題】

※4 国連「World Population Prospects, the 2010 Revision」
※5 OECD-FAO「Agricultural Outlook 2009-2018」
※6 FAO「World Agriculture : Toward 2015/2030」
※7 農林水産省
※8 OECD-FAO「Agricultural Outlook 2008-2017」

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