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社会の声を聞く(ステークホルダー・ダイアログ)


味の素グループでは、CSR推進の中でステークホルダー・ダイアログを重要な活動のひとつとしてとらえています。社会と対話することで、自分たちの取り組みの方向性が社会の要請とずれていないかどうか検証できるからです。味の素グループではPDCAのCにあたるこの活動を有意義な機会として、CSR経営に役立てています。


- 日時:
- 2010年11月1日(月)13:30〜17:30
- 場所:
- 味の素グループ高輪研修センター
- 出席者:
- 12名(ステークホルダーの皆様7名、味の素(株)役員5名)
*文中の所属・役職名は開催時の名称

石倉洋子氏
一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授

古沢広祐氏
國學院大學経済学部 教授

久新大四郎氏
偏西風事務所 主幹
(社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)

小田理一郎氏
有限会社チェンジ・エージェント
代表取締役社長

寺中 誠氏
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 事務局長

伊藤聡子氏
財団法人日本国際交流センター チーフ・プログラム・オフィサー

小島正美氏
株式会社毎日新聞社 東京本社 生活報道部 編集委員
味の素(株)役員 5名
戸坂 修
代表取締役副社長執行役員
横山敬一
取締役専務執行役員
三輪清志
取締役専務執行役員
善積友弥
取締役常務執行役員
岩本 保
取締役常務執行役員
討議テーマ:
- 味の素グループが「グローバル健康貢献企業グループ」として活躍するために求められることとは
- 味の素グループが食資源を永続して調達・活用するために必要な視点とは

2009年に味の素グループが考える「21世紀の人類社会の課題」として、「地球持続性」「食資源」「健康な生活」の3つを掲げました。これらの社会課題解決に向け、どういう切り口で取り組めばよいのか、従業員によるワークショップを通じて議論をしました。ワークショップのまとめをステークホルダーの皆様と共有し、社会課題解決に向け、どのような視点が必要なのか、活躍されているそれぞれの分野のお立場から、ご意見をいただきました。ステークホルダーの皆様のご意見は、2011−2013年中期経営計画を進める中で、特にCSRマネジメント体制を構築・強化していくにあたり、社会の声として従業員と共有していきます。

2つの討議テーマについて議論する前に、関連するテーマを専門とされているお二人のステークホルダーからプレゼンテーションいただき、それを切り口に、2グループに分かれて議論し、各テーマの議論が終わるごとに、各グループで出た意見を全体で共有しました。


石倉氏のプレゼンテーション
石倉氏によるプレゼンテーションでは、現地を知るためには現地に行くことが大切である。世界の動向にアンテナを向け、社会課題を俯瞰し、国際的な潮流を捉えスピーディに対応していく必要がある。企業はNGOや国際組織など、現場を知っている人がいるのに上手く連携がとれていない。といったご意見をいただきました。
プレゼンテーションの後、各グループで議論しました。
主にいただいたご意見は以下の通りです。
主なご意見(グループ1&2あわせて)
- グローバルヘルスという大きな枠組みの中で、存在感を高めていくべき
- ビジネスは「現場をよく知っている」ということが大変重要
- 企業トップはビジネスの現場だけでなく、国際的議論の場へも参加して、世界の動向を知るべき
- NGOや国際機関と協働するべき
- 世界では多くの農民が貧困に喘いでいる。グローバル食品企業は、このような農民やコミュニティへのサポートを強化しはじめている
- 高齢化社会は、日本が先導市場なので、ここで解決策を見出せれば、世界に対して影響力を発揮できる
- 会社にかかわりの深い社会課題とそれらの解決に貢献できる個別の取り組みをつなぐフィロソフィーを確固たるメッセージとして発信すべき
- より飢餓(貧困)の深刻な国、地域への取り組みをどうするのか
- 仕事に社会的なやりがいを求めている若者もいる。良い人材を確保するためにも社会性を持った企業をアピールすることは重要である
- 報告書は従業員や消費者が読み切ることができるものでなければならない。展望を示し、読み手の意欲、従業員を元気にする内容が望ましい


古沢氏のプレゼンテーション
古沢氏によるプレゼンテーションでは、2050年に世界人口は90億人超えが予想される。果たして食料生産は追いつくのか。食料問題は何がどう関連しているのか、全体像を鳥瞰的にとらえなければ、複雑でわかりにくい。一企業としてというより、国でやること、企業でやること、現地でやるべきことを分けて考えいくべきである。といったご意見をいただきました。
プレゼンテーションの後、各グループで議論しました。テーマが企業レベルを超えるものであったことから、より大局的な見地でご意見をいただきました。
主にいただいたご意見は以下の通りです。
主なご意見(グループ1&2あわせて)
- まず、食資源の調達の現場で何が起きているのか把握し、国・企業・地域の役割を明確にした上で、状況のレベルに応じて策を講じるべき
- 企業の支援で、従来の農業の生産性向上を図ろうと考える際、それによって環境を崩し、労働・人権や保健衛生の問題を与えないか配慮すべき
- 最貧国では、先進国のような労働生産性の視点ではなく、豊富な労働力を利用し土地の生産性を高めるやり方も考えてみる
- アミノ酸発酵は、伝統的な有機とは異なる資源の使い方であり、食料問題に対するひとつの解決策になり得るかもしれない
- 自社で農地を持つと資源のコントロールはできるが、そうでなければ、調達基準で調達先をコントロールすべき
- サプライチェーンにおける社会性(強制労働、健康管理等)に配慮すべき
- 食品の大量廃棄問題は、消費者教育が大事である

今回のダイアログは非常に大きなテーマを扱ったこともあり、ステークホルダーの皆様のお立場からいただいたご意見も多岐にわたりました。すべてをひとつにまとめることはできませんでしたが、主なご意見をいくつか掲載いたします。
- グローバルに事業を展開する中で、気候変動や原子力拡散問題など、みんなで取り組まなければ解決できないグローバルな課題と資源問題や生物多様性などのローカルで対応可能なユニバーサルな課題を区別して考えること
- 課題の全体像を把握し、どこでどんな問題が起きているのか整理し、中長期の視点で解決策を講じること
- 食資源にとって大事なのは土壌・水・栄養源。グローバル企業としては、これらの要素に対する取り組みスタンスを明確にする必要性がある
- 途上国での事業展開でスピードと効率を求めていくと援助機関やNGOとの協働が欠かせない
- 良い取り組みでも効果的なアピールをしないと伝わらない
ダイアログ終了後は、経営層や各部門が一堂に会する場で、いただいたご意見を共有いたしました。ちょうど2011−2013年中期経営計画策定時期だったこともあり、味の素グループが考える「21世紀の人類社会の課題」である「地球持続性」「食資源」「健康な生活」に対し、どういうスタンスで向き合うべきか、また取り組みをどうやって社会に伝えていくべきか、見つめ直すきっかけとなりました。
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